『では次は藤堂志摩子さんにおうかがいします』
『はい』
『お好きな食べ物を教えてください』
『ユリネです』
え?あれ?
『ユリネ…ですか』
『はい、他には大豆とかそういったものが好きです』
別段変わったところのない口調で志摩子さんは答えた。
『でも…志摩子さんは銀な……』
ぶつっ
寺の娘は機械操作に強かった(誤)
『引き続き、Pastel pure、お楽しみください』
慣れた口調で白薔薇さまはフォローを入れた。素晴らしき連携プレー、呼吸を
あわせる必要すらないらしい。
「ぎ、銀杏がいちばんすきなんじゃ…」
祐巳は先ほどの言葉の続きを口にした。
「祐巳さん、ここでそれを言ったら来年どうなると思う?」
「さぁ……?」
至極真剣な顔で志摩子は次の一言を放った。
「私の狩場が荒らされるわ」
「……うん、わかった」
祐巳はもはやなにも言うべき言葉が見つからず、ただ惰性で返事をした。
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